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「ヤシノミ洗たく洗剤」の洗浄力や成分を徹底分析!

ヤシノミ洗濯洗剤

「無香料・無着色、すすぎ1回で肌にやさしい」これでしっかり汚れが落ちるのであれば、夢のような洗剤ですよね。

果たして実際のところ、どうなのでしょうか。

この記事では忖度なく「ヤシノミ洗たく洗剤」について、実験・分析を行った結果を紹介します。

 

この記事の内容

  • 成分の安全性について
  • 肌にやさしい、は洗浄力が低いことの裏返し?
  • 洗浄力に重要な「臨界ミセル濃度」
  • ニオイ落ち

 

洗剤の成分を分析

 

まずは洗剤そのものについて、成分やpHなどを測定し、分析していきます。

 

特徴

最近は "すすぎ1回でOK" を売りにしている商品が増えていますよね。
ヤシノミについても、すすぎ1回を謳っているのが特徴的です。

また、肌にやさしいことや、無香料・無着色を大々的に謳っていることも特徴的ですね。

では実際に肌にやさしいのか、成分の観点から分析してみましょう。

 

成分

公式サイトに記載されている成分は以下の通りです。

  • 界面活性剤 32%
    • ポリオキシエチレンアルキルエーテル
    • ポリオキシアルキレンアルキルアミン
    • 純石けん分
  • 安定化剤

成分表示上は香料や着色料が入っていないことがわかります。
といっても、家庭用品品質表示法から含有量が1%未満のものは記載義務がないので、香料・着色料が入っていても知り得ないのですが(笑)。

まあ洗剤の液色が透明で、特にニオイもしなかったので、無香料・無着色なのでしょう!
(入っていた場合は詐欺なので、メーカーも嘘はつかないでしょう)

界面活性剤については、含まれているものが大きく2種類に分けられます。

ノニオン界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミンです。

アニオン界面活性剤が、純石けん分です。

ノニオンは洗浄力が中程度で刺激は低め、アニオンは洗浄力が強い一方で刺激が強め、という特徴があります。

つまり、ヤシノミ洗たく洗剤の界面活性剤は刺激が低めの成分をメインに配合していることになります。

 

pH

ph

洗剤液を実際にpH試験紙で測ってみました。上の画像の通り、9で「弱アルカリ性でした。

ラベルにも弱アルカリ性と記載があったので、その通りですね。

 

洗浄力について

洗浄実験

洗浄力を測るために、実際に比較実験を行いました。
その結果がこちらです。

規定量実験結果

左が実験前の汚れの状態で、右が実験後の状態です。
わずかに汚れが薄くなっていることがわかります。

過去の実験などでも、他の洗剤と汚れ落ち比較をしていますが、ヤシノミは正直言って汚れ落ちがイマイチです。。

(実験の方法など、詳細が知りたい方は、以前の記事などで紹介していますので参照ください)

もし、「洗浄成分の濃度が薄いから、汚れ落ちは悪いけどすすぎは1回でいいよ」ということを前提にすすぎ1回を謳っていたら嫌ですよね。

 

洗浄力が弱いのは使用推奨量が少ない?

ヤシノミは洗濯時の使用推奨量として、ラベルに以下の通り記載があります。

水45Lに対して15mL

最近の高濃縮洗剤は、使用量としてこれぐらいを推奨しているメーカーが多いので、量だけ見ると妥当な気がしてきます。

しかし、どれだけ高濃縮なのかという点に注意が必要です。

というのも、ヤシノミは界面活性剤の含有率が32%ですが、他のメーカーの高濃縮洗剤は界面活性剤の含有率が50%以上もあります

高濃縮を謳っていない、昔からあるような洗剤でも界面活性剤は26%ほどあるのが一般的です。

この点から個人的には、ヤシノミは他のメーカーの高濃縮洗剤と肩を並べられるほどの使用量では無いと思っています。
自己責任にはなりますが、ヤシノミは推奨の倍の量を使用しても問題ないレベルです。

 

臨界ミセル濃度

少し難しい話になりますが、界面活性剤が洗濯物に対してしっかり洗浄力を働く指標として、「臨界ミセル濃度」というものがあります。

洗剤の量が少なすぎると汚れが落ちず、多すぎると何かしら問題が起きるのでは?と思っている人は多いと思います。

そしてこの「臨界ミセル濃度」は、その丁度いい割合、つまり洗剤の丁度いい使用量を知るための目安とできる濃度なんです。

科学的に厳密にやるには計算式とか色々やるみたいですが、今回は簡易的に丁度いい濃度を測ってみます。

 

丁度いい濃度はどれくらいか

臨界ミセル濃度に達すると、水中に結合物(白く濁る)が生まれてきます。これを目安として、メーカー推奨の使用量から何倍が丁度いいのか試します。

臨界ミセル濃度

上の画像は、300mLの水に対して洗剤を、メーカー推奨の使用量の何倍加えたかを表したものです。
ご覧のように、洗剤を加えていない水のみの状態(上段左)から、5倍(下段左)まで、液色の変化はほとんど見られませんでした。

10倍から少し白く濁ってきて、20倍では完全に白く濁っています。

これで、洗浄力を十分に発揮する丁度いい濃度は、メーカー推奨量の10倍ということがわかりました。

 

ミセル濃度の違いによる洗浄力の差

最後に、洗剤使用量による汚れ落ちの違いはあるのかを検証します。

実験方法は先ほどと同様に、汚れた布を用意して洗浄比較を行います。

使用する洗剤の量は、メーカー推奨量のものと、先ほど求めた10倍の量のもので比較しました。

 

実験結果

ミセル濃度実験

実験結果は上のような結果となりました。画像ではわかりづらいですが、僅かに10倍の量を使用した側の方が汚れが落ちていました

しかし、それほど大きな違いにはならず、どちらにせよ汚れはあまり落ちないという結果になりましたね。

  

まとめ

結論、個人的にこの洗剤はあまりおすすめ出来ません
洗濯にとって最重要なのは汚れを落とすことです。油汚れは日常で最もつく汚れの1つであるため、それをイマイチ落とせない結果となったのは残念です。

では洗濯洗剤が全てダメなのかと言うと、そうではありません

他の洗剤には、酵素や漂白剤など、汚れ落としに非常に効果的な成分が入っているものも多く存在しているため、一般的に売られている商品でも良い物もたくさんあります。

過去に比較実験を行った中から、いくつかおすすめをご紹介します。

 

コストは厭わない、汚れ落ち重視

1回の洗濯での使用量が多いですが、汚れ落ちを最重視するのであれば「arau(アラウ)」という洗剤がおすすめです。

石けんベースなので、肌の弱い人は使用の上で注意が必要ですが、詳しく解説した記事がありますので、よければ参考にしてみてください▼

 

コスパ重視、バランス型

汚れもそこそこ落ちて、肌刺激やコストが比較的抑えられるのが「さらさ」という洗剤です。

漂白剤が入っていないながらも、そこそこなパフォーマンスを発揮します。

私も日常使いしている洗剤で、消費者視点から徹底的に分析した記事がありますので、よければ▼