洗濯洗剤の解説と比較実験の記事です!
「アリエールバイオサイエンスジェル」と「アリエールプロクリーン」の比較・解説です!
どちらもアリエールのラインナップで、昔からある青いタイプのものと、比較的新しい商品のプロクリーンを、成分から実際の洗浄力まで比較した結果をご紹介します。
※今回使用するアリエールバイオサイエンスジェルを、当記事では区別のために「ノーマル」と呼ばせていただきます。
成分などについて
アリエールバイオサイエンスジェル
- 界面活性剤 27%
- 安定化剤
- アルカリ剤
- 分散剤
- 水軟化剤
- 蛍光増白剤
- 酵素
アリエールプロクリーン
- 界面活性剤 52%
- 安定化剤
- 分散剤
- 洗浄助剤
- 蛍光増白剤
それぞれ配合されている成分の差分はいくつかありますが、特に注目すべき差として「界面活性剤」と「酵素」が挙げられます。
まず界面活性剤は、ノーマルが27%なのに対してプロクリーンは52%となっており、25%も差があります。
多くの場合は、界面活性剤の濃度が50%を超えてくると"高濃縮洗剤"に分類され、メーカーもそのことを謳うのですが、プロクリーンは通常の洗剤の扱いのようです。
界面活性剤の濃度が高いと、そのぶん油汚れをよく落とす効果があります。
しかし、臨界ミセル濃度という洗浄力の臨界点も存在し、界面活性剤の濃度をいくら高くしても限度はあります。
なので、ここまで濃度が高くて意味があるのかという疑問も残るものの、油汚れには強いという点ではプロクリーンが優位に立ちそうです。
(界面活性剤の種類もあるので、これは後述します)
次に「酵素」ですが、洗剤における酵素はタンパク質を分解するものがほとんどです。
酵素が入っていることで、皮脂汚れや血液などのタンパク質汚れをよく落とす効果があります。
ノーマルには酵素が配合されており、プロクリーンには配合されていません。
このことから、タンパク質汚れの点ではノーマルが優位に立ちそうです。
洗浄力と界面活性剤
界面活性剤にも種類があり、何を使っているかによって汚れ落ちの強さや肌への刺激性も異なります。
2つの商品に共通して使用されている界面活性剤は、「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩」と「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」です。
前者はアニオン、後者はノニオンの界面活性剤です。
ノニオンよりもアニオンの方が洗浄力が高いとされており、同時に刺激性も強いとされています。
そして、「純石けん分」がノーマルだけに使用されています。
純石けん分はアニオンに分類され、アルカリ性で洗浄力は強いですが、水で薄まると洗浄の働きが途端に弱くなる成分です。
どちらの商品も界面活性剤の種類では、洗浄力も肌への刺激性も大差がないように思います。
プロクリーンには純石けん分が使われていない点で特徴的ですが、これが何か大きく作用することはないでしょう。
液性
ノーマルとプロクリーン、それぞれの液性(pH)を測ってみました。
pH はアルカリ性に傾くほど、皮脂汚れや食べ物汚れなどの油汚れがよく落ちます。一方で肌への刺激は比較的強めになってきます。
反対にpHが 7(中性)であれば、洗浄力へは作用しないものの、肌への刺激は弱め、というかほぼ心配ないレベルになります。
ノーマル
商品ラベルでの記載は弱アルカリ性でした。
実際に測ってみた結果がこちらです。
pH はどちらかと言うと8に近い色味でした。なので、弱アルカリ性と捉えることができます。
ラベルに記載の通りということですね。
プロクリーン
こちらの商品も、ラベルでの記載は弱アルカリ性でした。
実際に測ってみた結果がこちらです。
こちらも同じくpH は8でした。なので、弱アルカリ性と捉えることができます。
弱アルカリ性といっても、pHは8〜10までの幅があり、どちらの商品も弱アルカリ性の洗剤の中では比較的弱めの部類に入る洗剤と言えるでしょう。
アルカリ度が低いということは、それだけ肌への刺激性も低いということになりますが、そのぶん汚れを落とす力も弱めということになります。
実験
概要
この実験方法は、まず布を用意し、その布に汚れ(皮脂汚れや食べ物汚れ)の代わりとしてラー油を1滴を付着させます。
なぜラー油かと言うと、油汚れは皮脂汚れよりも強い汚れですが、成分としては基本的に同じなため、日常生活で一番つきやすい皮脂汚れの代替という理由です。
そして2つのコップにそれぞれ同量の水を入れ、洗濯機のようにそれぞれ同じ回数かき混ぜ、20分ほど放置するというものです。
使用する洗剤の量
それぞれの商品ラベルに記載されている使用推奨量から比率を計算し、実験に使用する洗剤の量を決定しています。
記載の推奨量はこの通りです。
- ノーマル:水45L に 45mL
- プロクリーン:水45L に 52mL
つまり比率で言うと以下のようになります。
ノーマル:プロクリーン = 1:1.15
なので実験に使用する量はわかりやすく、アリエールを 1mL、プロクリーンを1.2mLとします。
※使用する水の量は300mLほどのため、推奨量よりも3倍ほど高い濃度ですが、比較が目的なのでご了承ください。
結果
洗浄実験前が画像の上側、実験後が下側です。
どちらも真っ白とまではいきませんでしたが、汚れがほとんど落ちました!
画像でも肉眼でも優劣が付かなかったため、どちらの商品も同じぐらいの洗浄力という結果でした。
もし、この残った汚れを完璧に真っ白にする場合は、過炭酸ナトリウムや塩素で漂白するのが王道でしょう。
衣類であれば基本的に過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)を使うのがおすすめです。
詳しい使い方や具体的な商品は以下の記事で紹介してますので、よければ▼
ニオイ落ち
主観的な結果ですが、どちらの方がニオイ落ちが良かったのか、ご紹介します。
まず結論から言うと、どちらとも同じぐらいニオイ落ちが良かったです!
といっても細かい部分では洗剤の残り香が多い方がいいニオイだと思います。
そういう意味で、ノーマルの方が全体的に成績は良かったと感じます。
プロクリーンは洗剤の残り香があまり感じられなかったので、残ったラー油臭が強く感じてしまいました。
しかし、洗剤の残り香は好き嫌いが激しい点なので、これは人それぞれかもしれませんね。
まとめ(考察とおすすめ)
今回の記事で比較した洗剤はどちらも蛍光増白剤が含まれている洗剤のため、これが含まれていない洗剤と比べると肌への刺激性が強い洗剤です。
蛍光増白剤は白い衣類をより白く見せる効果もありますが、色柄物も少し色あせたような見た目になってしまう効果もあります。
なので白いものに使用する場合は、今回ご紹介したアリエールをお使いいただくと、しっかり汚れも落ちると思いますが、色柄物や肌の弱い方にはあまりご使用をおすすめできません。
おすすめ洗剤
肌への刺激性が低いと言われているのは、中性の洗剤です。
しかし中性の洗剤は、基本的に洗浄力が弱いという難点があります。
これをなんとか成分を工夫して、洗浄力と刺激性のいいとこ取りをした洗剤のおすすめとして「さらさ」があります。
「さらさ」については詳しく解説した記事がありますので、よかったら読んでみてください▼
刺激性を重視する方は、「arau」や「ヤシノミ洗たく洗剤」などもご存知かもしれません。
これらを比較・分析して、最終的におすすめできる洗剤とその理由も解説した記事がありますので、よければ▼