世界で最も飲まれている飲み物の中でも、コーヒーやお茶といった飲み物は毎日飲んでいる、という人も多いのではないでしょうか。今回はそんなコーヒーやお茶に含まれるカフェインについて、メリットとデメリット、上手な使い方を紹介します。
カフェインの意外と知られていない正体
悪者じゃない!
まず、カフェインは使い方さえ間違えなければ人に多くのメリットをもたらす成分です。昨今、エナジードリンクの多量摂取で死亡した人がニュースになり、カフェインが悪者扱いされることがありますが、薬も過ぎれば毒、異常な量を摂取すれば人体に悪い影響をもたらすのはカフェインだけではありません。塩だって取り過ぎれば死に至りますし、水も大量に摂取し続けると死にます。かといって、「塩分は体に悪いからやめよう」とか「水もたくさん飲むのは危ないから1日コップ1杯にしよう」なんてことはしないですよね?それこそ生命の危機に瀕します。
カフェインで人体に悪影響を及ぼすラインというのがあります。
一般成人の場合で、
- 1時間以内に、6.5mg/kgの摂取で50%の人が急性症状を発症
- 3時間以内に、17mg/kgの摂取で100%の人が急性症状を発症
(カフェインの量/体重)となってます。例えば体重60kgの人だと、3時間以内に1020mg摂取するとほぼ100%急性中毒になることになります。
致死量は個人差もありますが、1日に5000mg〜10000mgと言われています。ただし、短時間で多くを摂取すればするほど危険度が増すのでお気をつけを。
ネガティヴな話が続きましたが、基本的にこれらを気をつけていればあとは良い効果ばかりなので、用法用量を守ってお使いください。笑
何に含まれるの?
カフェインは様々な飲料に含まれています。
エナジードリンク、コーヒー、紅茶、烏龍茶、緑茶、抹茶、コーラ、ココア、etc...(もちろん、チョコレートなどの食べ物にも...)
農林水産省の発表があるので、貼っておきますね。飲料100mlあたりのカフェイン含有量や、子供から大人までの1日の摂取目安がのってます。
結構お茶にも含まれていることがわかりますね。
だいぶ正しい認知が広まりつつあるようですが、私が子供の頃はコーラにはカフェインが入っているからお茶を飲みなさいと言い聞かされたものです。意味がわからないですね。。笑
日本コカ・コーラの正式な発表では、
「コカ・コーラ」に含まれるカフェイン量は、日本食品標準成分表2015によるレギュラーコーヒー(浸出液)の約1/6、紅茶(浸出液)の約1/3、煎茶(抽出液)の約1/2となります。
とあります。要はお茶よりコーラの方がカフェイン含有量が少ないんですよね。
今はデカフェの飲料も多く出回っているので、カフェインが苦手な人はそういったのを選ぶといいと思います。麦茶を筆頭に、紅茶、コーヒーと、デカフェの飲料を見かける機会が多くなったように感じます。
効能
メリット①:集中力の向上
有名な話ですが、集中力が上がります(頭が冴えるともいえますね)。結果、なにか作業をしていればその作業量が増える、という研究があるほどです。
千葉大学では、被験者141名を集めて暗算の作業をさせて、カフェインの効果を測るという研究が行われました。カフェインを含むインスタントコーヒーを飲んだグループは、そうでないグループと比較して、作業量が増加したという結果が得られています。
またこの研究では、脈拍の変化はみられなかった、とあります。つまり、心臓に特段負担をかけずに集中力が上がるということですね。(被験者は健常者を集めているので、心臓に病気を抱えてる人などは例外ですが)
(研究論文:https://core.ac.uk/download/pdf/96951062.pdf)
メリット②:脂質代謝の増加
これはあまり知られていないと思います。脂質代謝向上、つまり脂肪の燃焼を促すのです。 これも研究結果として発表されている内容ですが、国士舘大学では、日頃軽い運動を行なっている被験者を集めて、軽い持久性運動をさせ、その合間にカフェインを摂取してどのような変化があるか、という研究が行われました。
実験では体重1kgあたり3mgのカフェインを投与しているので、60kgの人で180mgなのでエナジードリンク1本以上のカフェイン量を摂取しています。この結果、カフェインを摂取したグループはそうでないグループと比較して、「糖質酸化量では有意な差は認められなかったものの、脂質代謝は亢進した」とあります。
(研究論文:国士舘大学 学術情報リポジトリ)
メリット③:一定時間痛みに強くなる
痛みという感覚値なので有意な研究を示せるわけではないのですが、カフェインの効き目が切れるまで、多少の物理的な痛みに鈍感になります。麻酔のように感じなくなるのではなく、耐えれる範囲が広がるというイメージです。この効果を利用して、病院などのリハビリで使っているという話も聞いたことがあります。
あくまで想像ですが、カフェインが脳神経の何処かに働きかけてモルヒネのような効果があるのかもしれませんね。(その効果はモルヒネと比較すると月と鼈かもしれません)
デメリット
最初の方でも紹介した通り、その使い方を間違えると人体に悪影響を及ぼします。
- 過剰に摂取すると、吐き気や目眩におそわれる
- もっと過剰に摂取すると、最悪、死に至る可能性がある
- 夜に摂取すると頭が冴えて寝づらくなる
といったところですかねー。ただ、これらは健常者を前提としているので、何か病気を患っている人や、胎児への影響は医学的に証明されてないみたいですが、妊婦の人などは摂取量にお気をつけください。
上手な使い方3選
起きてすぐ、ダイエットに
朝、ジョギングや散歩をしたり、軽い運動を習慣にしているという人にもってこいです。(週1とかでも!)
上で紹介した通り、カフェインには脂肪燃焼促進効果があるので、ちょっと脂肪が気になっている人は、朝起きたら何も食べずコーヒーや紅茶を飲んで、運動するのがオススメです!
なぜ何も食べないかというと、起きてすぐ空腹の状態で運動をすると今ある体内からエネルギーが燃焼されていきますよね?
何か食べたあとでは既に食べたものの吸収が始まっているので、そこからエネルギーが使われて燃焼したかった体についた脂肪からエネルギーが使われない可能性があるためです。でも食べないと動けないという人はちょっとくらい食べてもいいです。笑
昼寝の前に、午後の眠気防止
よく言われる話ですが、昼寝の前にコーヒーを飲んでから短時間寝るといいと言われています。これは、カフェインが実際に人体に効果をもたらすのに30分ほどかかるからです。
だからカフェインを摂取したうえで、30分くらい寝れば、起きた時には完璧なコンディションになっているといった魂胆ですね。
運動や筋トレ前に
カフェインには多少の鎮痛効果があると言われています。これを利用して、いつもの運動の耐久度を上げてみてください。筋トレではいつもの10%くらい思い重量を上げれるかもしれません。個人差はありますが。。
まとめ
カフェインには多くのメリットがあることがお解りいただけたと思います。昨今では異常な量の摂取によるニュースなどで悪者扱いされがちですが、しっかりと用量を守り、自分の体と相談して使っていただければと思います。