洗濯洗剤アリエールの、「粉タイプ」と「液体タイプ」の解説・比較です!
それぞれの洗剤の分析や、汚れを付着させた布をそれぞれ同じ環境下で洗浄実験を行った結果をご紹介します。
粉の方が強そうというイメージを持っている人も多いでしょうが、果たして...!?
成分などの比較
粉タイプ
- 界面活性剤 18%
- 工程剤(硫酸塩)
- アルカリ剤(炭酸ナトリウム)
- 水軟化剤
- 漂白剤
- 漂白活性化剤
- 酵素
- 蛍光増白剤
液体タイプ
- 界面活性剤 27%
- 安定化剤
- アルカリ剤
- 分散剤
- 水軟化剤
- 蛍光増白剤
- 酵素
粉と液体で成分に差のある点が多いですね。
ざっくり差をまとめると、「界面活性剤の濃度」と「漂白剤の有無」の2つになります。
界面活性剤の濃度は液体の方が濃度が高く、9%の差があります。
配合されている界面活性剤の種類も差がありますが、これについては後述します。
そして漂白剤は粉タイプのみに配合されています。
洗濯洗剤に用いられる漂白剤は、酸素系の漂白剤であることが多く、アリエールも例外ではありません。
この漂白剤は、洗剤が粉タイプであることやアルカリ性であることから、過炭酸ナトリウムと考えられます。
過炭酸ナトリウムは、オキシクリーンなどにも使われている酸素系漂白剤で、色柄物にも使用でき、漂白力もしっかりあるものとして広く使われています。
界面活性剤の詳細
それぞれの界面活性剤について解説します。
商品ラベルに記載されている界面活性剤の種類は、それぞれ以下の通りです。
粉タイプ
- 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩
液体タイプ
どちらにも配合されている直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩は、アニオン(陰イオン)の界面活性剤に分類され、洗浄力が高いものの肌への刺激は強めな界面活性剤です。
液体タイプの残り2つの界面活性剤についてです。
まずポリオキシエチレンアルキルエーテルは、ノニオン(非イオン)の界面活性剤に分類され、洗浄力もそこそこあり、肌への刺激はマイルドなものです。
純せっけん分は、その名の通り皆さんご存知の石鹸です。
石鹸も界面活性剤の1つで、脂肪酸塩と表記されることもあります。どちらも同じものです。
純せっけん分は、アニオン(陰イオン)の界面活性剤に分類され、洗浄力は比較的高めで、泡切れは良いですが、肌への刺激は比較的強めです。
液性
洗剤(原液)のpHを測ってみました。
粉タイプの方はpH試験紙で原液を測ることが出来ないので、液体タイプのみご紹介します。
pH は、7〜8ぐらいでした。
どちらかと言うと8に近い色味なので、弱アルカリ性と捉えることができます。
商品ラベルにも液性は弱アルカリ性とあったので、その通りですね。
弱アルカリ性といっても、pHは8〜10までの幅があるんです。
pHが1でも違うと、汚れ落ちも変わってくるので、意外と大事な要素なんです。
アリエール(液体タイプ)は8だったので、弱アルカリ性の洗剤の中では比較的弱めです。
実験で洗浄力比較
概要
この実験方法は、まず布を用意し、その布に汚れ(皮脂汚れや食べ物汚れ)の代わりとしてラー油を1滴を付着させます。
なぜラー油かと言うと、油汚れは皮脂汚れよりも強い汚れですが、成分としては基本的に同じなため、日常生活で一番つきやすい皮脂汚れの代替という理由です。
そして2つのコップにそれぞれ同量の水を入れ、洗濯機のようにそれぞれ同じ回数かき混ぜ、30分ほど放置するというものです。
使う洗剤の量
それぞれのパッケージに記載されている使用推奨量から比率を計算し、実験に使用する洗剤の量を決定しています。
記載の推奨量はこの通りです。
- 粉タイプ:水30L に 36.5g
- 液体タイプ:水45L に 45mL
つまり比率で言うと以下のようになります。
粉タイプ:液体タイプ = 1.2:1
なので実験に使用する量はわかりやすく、粉タイプを 1.2g、液体タイプを1mLとします。
※使用する水の量は300mLほどのため、推奨量よりも3倍ほど高い濃度ですが、比較が目的なのでご了承ください。
結果
洗浄実験前が画像の上側、実験後が下側です。汚れ落ち度合いは、ほとんど同じ結果となりました!
肉眼でも差が見られなかったので、粉タイプと液体タイプでは洗浄力に差がないと言えます。
過去の洗浄実験でも様々な種類の洗剤を試していますが、洗浄力の点でアリエールは最も優秀な部類に入ると言えるでしょう。
ニオイ落ち
洗浄実験後の布のニオイを嗅いで、どちらの方がよりニオイが落ちたのか判定しました。
(※あくまで主観となるので、ご容赦を。。)
結論から言うと、粉タイプの方がニオイ落ちは良かったです!
ラー油のニオイがどれだけ残っているかで優劣を判定するのですが、粉タイプの方はほとんどラー油のニオイが残っていませんでした。
液体タイプの方もラー油のニオイを一定は落としていたものの、粉タイプほどは落ちていない印象を受けました。
しかし、粉タイプが9割の消臭力とすれば、液体タイプは7割ほどの感覚だったので、液体タイプでも十分な効果と言えると思います。
まとめ(考察とおすすめ)
汚れ落ち・ニオイ落ち共に良かったのは粉タイプでした。
やはり漂白剤の有無が、この結果を左右したのかなと思います。
配合されている界面活性剤は、どちらのタイプも強力なものが配合されていたので、肌トラブルを避けるためにもすすぎは2回行うことをおすすめしておきます。
中には、粉洗剤の溶け残りなどが気になる人もいると思います。
その心配は正しくて、時期によっては粉洗剤をおすすめできない場合もあります。
しかし逆に言うと、時期によっては液体洗剤よりも粉洗剤の方がおすすめなんです!
詳しくは以下の記事で解説していますので、よければ▼