洗濯洗剤の解説と比較実験の記事です!
今回は「アリエール バイオサイエンスジェル」と「さらさ」の解説・比較です。
この2つの洗剤はどちらもP&Gの商品ですが、特徴はそれぞれ大きく異なっているんです。
どちらの洗剤がより洗浄力が強いのか、安全性が高いのか、より肌への刺激を抑えるにはどうしたらよいか、などを中心に解説します。
成分などについて
アリエールバイオサイエンスジェル
- 界面活性剤 27%
- 安定化剤
- アルカリ剤
- 分散剤
- 水軟化剤
- 蛍光増白剤
- 酵素
さらさ
界面活性剤の濃度はアリエールの方が4%高いことがわかります。
そのうち、使われている界面活性剤の種類は、どちらの商品もアニオンとノニオンの界面活性剤のようです。
他にも差のある点として、アルカリ剤と分散材、蛍光増白剤がアリエールには含まれており、さらさにはこれらが含まれていません。
アルカリ剤や分散材は汚れ落としに貢献する成分で、特に油汚れに力を発揮する成分です。
また、蛍光増白剤は洗い上がった洗濯物に付着し、衣類をより白く見せるための成分です。
衣類に残存する成分のため、肌へ優しいとは言えないでしょう。
蛍光増白剤については、より詳細に解説した記事がありますので、よければ▼
洗浄力と界面活性剤
界面活性剤の種類で言えば、ノニオン界面活性剤よりもアニオン界面活性剤の方が洗浄力が強いとされています。
これを踏まえるとどちらの商品も、様々な種類の界面活性剤をブレンドして成分のいいとこ取りをしようという狙いだと考えられます。
特徴として差があるのは、せっけん分の濃度がさらさの方が高いということぐらいです。
正直いうと、あまりインパクトのある差分は界面活性剤の種類ではみられませんでした。
液性
さらさとarauそれぞれの液性(pH)を測ってみました。
pH はアルカリ性に傾くほど、皮脂汚れや食べ物汚れなどの油汚れがよく落ちます。一方で肌への刺激は比較的強めになってきます。
反対にpHが 7(中性)であれば、洗浄力へは作用しないものの、肌への刺激は弱め、というかほぼ心配ないレベルになります。
アリエール
商品ラベルでの記載は弱アルカリ性でした。
実際に測ってみた結果がこちらです。
pH はどちらかと言うと8に近い色味でした。なので、弱アルカリ性と捉えることができます。
弱アルカリ性といっても、pHは8〜10までの幅があり、弱アルカリ性の洗剤の中では比較的弱めの部類に入る洗剤と言えるでしょう。
さらさ
商品ラベルでの記載は中性でした。
実際に測ってみた結果がこちらです。
上の画像では少しわかりづらいかもしれませんが、pHは7(中性)でした。
pHの面で見れば、さらさの方がアリエールよりも肌への刺激性が低いと言えるでしょう。
実験で洗浄力比較
概要
この実験方法は、まず布を用意し、その布に汚れ(皮脂汚れや食べ物汚れ)の代わりとしてラー油を1滴を付着させます。
なぜラー油かと言うと、油汚れは皮脂汚れよりも強い汚れですが、成分としては基本的に同じなため、日常生活で一番つきやすい皮脂汚れの代替という理由です。
そして2つのコップにそれぞれ同量の水を入れ、洗濯機のようにそれぞれ同じ回数かき混ぜ、30分ほど放置するというものです。
使う洗剤の量
それぞれの商品ラベルに記載されている使用推奨量から比率を計算し、実験に使用する洗剤の量を決定しています。
記載の推奨量はこの通りです。
- アリエール:水45L に 45mL
- さらさ:水30L に 26mL
つまり比率で言うと以下のようになります。
アリエール:さらさ = 1:0.86
なので実験に使用する量はわかりやすく、アリエールを 1mL、さらさを0.9mLとします。
※使用する水の量は300mLほどのため、推奨量よりも3倍ほど高い濃度ですが、比較が目的なのでご了承ください。
結果
洗浄実験前が画像の上側、実験後が下側です。
汚れ落ちという観点ではさらさよりもアリエールの方が優れていることがわかりました。
さらさは、わずかにラー油の赤い部分が落ちきりませんでしたが、アリエールは赤い部分はほとんど落ちて、よく見れば少し黄色いかな?というレベルまで落ちました。
蛍光増白剤が配合されているため、白い布を使ったことから、より汚れが落ちたように見えているだけという可能性もありますが、それを加味したとしても市販の洗剤の中ではよく落ちている部類だと思います。
ニオイ落ち
洗濯では汚れ落ちだけでなく、ニオイ落ちも重要です。
画像でご紹介できないので主観になってしまいますが、ラー油の臭いがどれだけ残っていたか、それぞれご紹介します。
結論から言うと、アリエールの方がラー油臭がよく落ちていました。
ニオイ残りは汚れ残りの量にも比例する部分はあるので、仕方ない結果かなと思います。
さらさの方も、全く落ちていなかったという訳ではなく大部分は落ちていたものの、わずかにニオイ残りがあったため、アリエールには勝てないという結果になりました。
まとめ(考察とおすすめ)
汚れ落ち・ニオイ落ち共にさらさよりもアリエールの方が優れていることがわかりました。
配合されている成分やpHの差による結果だと考えられます。
しかし、肌への影響は成分内容を見ればある程度は判断することができ、これはアリエールの方が刺激は強めであると判断できます。
肌の強い人なら問題はありませんが、肌の弱い人が強めの洗剤を認識せずに使っていて長年肌トラブルに悩まされる例も聞いたことがあるので、お気をつけください。
肌への影響をとるか、洗浄力をとるか
基本的に洗剤は、洗浄力が強いと肌への刺激も強い性質があります。
例えば台所洗剤で言うと、一昔前まで(90年代とか)は弱アルカリ性の商品が主流で、界面活性剤も洗浄力のみを重視した構成になっていました。
これでは肌への刺激が強く、手荒れが問題視されていました。
今では商品改良の結果、中性で刺激の低めな構成の商品が主流となりました。
といった具合に、洗剤の刺激(危険性)は軽視できません。
何だかんだ、さらさもおすすめ
そもそも服がそんなに汚れない人や、肌の弱めな人にはさらさがおすすめです。
汚れ落ちも「ナノッ○ス」とかと比べればダンゼン良いので、普段使いする分には十分な商品です。
さらさについて、より詳しい解説をした記事がありますので、よければ▼