洗たくマグちゃん、ランドリーマグちゃん、といった商品をご存知の方も多いのではないでしょうか。
これらの商品は、「マグネシウムと水だけで洗う」という、人と環境にやさしい洗濯の実現を謳っています。
洗剤を使わずに洗濯して汚れが落ちるなら、洗剤代も浮いていいことづくしですよね。
果たして水とマグネシウムだけで汚れやニオイは落ちるのか…!実際にマグネシウムで洗濯の実験をしてみました。
マグちゃん
中身について
公式サイトに「水とマグネシウムだけで洗う」とあるように、マグちゃんの中身はマグネシウムの粒がいっぱい入っています。
マグネシウムの粒は、通称マグネシウムペレットとも言い、以下のように商品として単体で売っていたりもします。
汚れが落ちる理屈
マグネシウムペレットを水に入れると、水と反応してアルカリイオン水を作り出します。
液体がアルカリ性になると、反対の酸性の性質を持つ皮脂汚れなどが落としやすくなります。
そうしてマグネシウムだけで汚れが落とせるという理屈らしいです!加えて、マグネシウムのその性質から消臭効果も期待できるようです。
比較実験
ではそのマグネシウムの効果はどれほどのものなのか。洗浄力があることがわかっていれば、洗剤との洗浄力比較実験になりますが、そもそもまだマグネシウムに洗浄力があること自体がわかっていないため、水との比較実験を行ます。
水だけでは洗浄力がさほど無いのはわかりきった話のため、マグネシウムに洗浄力があればとてもわかりやすい結果になるでしょう。
実験の詳細
比較対象実験のため、マグネシウムを入れること以外は全て同じ条件にします。今回の実験では以下のものを用意して比較を行います。
- コップ x2
- コップに入れる水(それぞれ150ml)
- 汚れのついた布切れ x2
布切れにつける汚れは、ラー油を使用します。なぜラー油かと言うと、油汚れは皮脂汚れよりも強い汚れですが、成分としては基本的に同じなため、日常生活で一番つきやすい皮脂汚れの代替という理由です。(赤いのでどれだけ落ちたかが見やすいという利点もあります)
結果
マグネシウムを入れる量ですが、水30Lあたり100gが推奨されており、今回使う水の量は150mlのため、そのままの比率でいくと使用するマグネシウムは0.5gとなります。
残念ながら、我が家にあった量りでは1g未満を量れなかったので、1g使用とします。
推奨されている2倍の量のマグネシウムを使うということですね。
まずはマグネシウム1gを入れて、それぞれのコップに汚れた布を入れ、30分ほど置いた結果をお見せします。
それぞれpH試験紙で液性をはかっています。少し見づらいかもですが、画像の通りpHは水のみの場合とさほど変わっておらず、7(中性)を示しています。
布切れも取り出してみましたが、特に汚れの落ち具合も変わっていませんね。(というか全く落ちてないです)
pHが変わらないのであれば、何時間も待っていれば変わってくるかもしれませんが、実際の洗濯でそんな何時間もマグネシウムを水につけておいて洗濯することはありませんよね。ということで、量を増やしてみましょう。
マグネシウムの量を、規程の8倍の4gにして、2時間ほどおいてみました。
画像の通り、マグネシウムがある方がpHが変わっているのがわかります。だいたい8くらいになっています。(=弱アルカリ性)
途中30分でもpHを見てみましたが、7のままだったので、やはり何時間かおかないとアルカリ性に傾かないようです。
さて、気になる汚れ落ちの結果です。
時間が経って、ラー油が布全体に染み渡ってしまっていますね。水のみで浸けていた方と比較してもさほど...というか全く変わらないのがわかります。
ということで、汚れ落ちに関してはマグネシウムは全く意味が無いということがわかりました。(仮に何時間も浸けておけば効果があったとしても普段の洗濯では現実的じゃないので意味が無いという結果です)
臭い落ち(消臭効果)について
汚れ落ちはダメでしたが、ニオイはどうかと思い、洗浄実験後の布を嗅いでみました。
ラー油を汚れとして付着させているので、ニオイが消えていればわかりやすいですからね。
結果は残念ながらほとんど落ちていませんでした。普通にラー油の匂いがします(笑)。とはいえ、水のみで浸けていた方と比較すると多少は取れているのかな、という感じでした。
同じ実験を洗濯洗剤で行ったことがありますが、やはり洗濯洗剤で実験した時の方がニオイ落ちも、もちろん汚れ落ちも良かったです。
洗濯洗剤の比較実験▼
まとめ
肌や洗濯物に優しいといっても、汚れが全然落ちないなら意味ないですよね。
むしろ汚れが落ちないことで、かえって汗疹になりやすくなったり、皮膚に異常をきたすことがあります。
しっかりと汚れを落とし、かつ肌や衣類にもダメージの少ない、中性洗剤を使うのがおすすめです。
中性洗剤の商品をまとめて比較した記事がありますので、よかったら読んでみてください▼
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