今回は「アクロンスマートケア」と「エマール」の解説・比較です。
おしゃれ着用洗剤としてメジャーな2つですね。
どちらの洗剤がより洗浄力が強いのか、安全性が高いのか、などを中心に解説していきます!
成分など
アクロンスマートケア
- 界面活性剤 13%
- 安定化剤
- 再付着防止剤
エマール
- 界面活性剤 19%
- pH調整剤
- 安定化剤
- 酵素
成分はノニオン系の界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)を中心にどちらも構成されています。
「アクロン」が 13% で、「エマール」が 19% と濃度に差があります。
あと洗浄力に寄与する成分は、「エマール」に入っている酵素ですね。
酵素にも種類がありますが、洗濯洗剤で用いられるのは脂質を分解するもの、タンパク質を分解するものが多いです。
液性
どちらも中性の洗剤で、pH 7 です。
よって、洗浄力や肌への刺激にはほとんど影響しないため、液性での差分は無しと捉えられます。
実験で洗浄力比較
概要
この実験方法は、まず布を用意し、その布に汚れ(皮脂汚れや食べ物汚れ)の代わりとしてラー油を1滴を付着させます。
なぜラー油かと言うと、成分としては皮脂汚れと基本的に同じなため、日常生活で一番つきやすい皮脂汚れの代替という理由です。
そして2つのコップにそれぞれ同量の水(200ml)を入れ、洗濯機のようにそれぞれ同じ回数かき混ぜる、というものです。
使う洗剤の量については、それぞれの商品の推奨量から算出します。
商品パッケージに記載されている使用推奨量は以下の通りです。
- アクロン:水30Lに40mL
- エマール:水30Lに40mL
使用する水の量から考えると、
- アクロン:0.27mL
- エマール:0.27mL
となります。
結果
洗浄実験前が画像の上側、実験後が下側です。
画像でもわかりづらい通り、肉眼で見てもほとんど差がありませんでした。
よって、洗浄力についてはこの2つにほぼ差は無いという結果になります。
ニオイ落ち
今回の実験で、どちらの方がよりニオイ落ちが良かったのかを紹介しておきます。
「アクロン」のほうがよりニオイが落ちていたように感じました。
「エマール」も多少は落ちていたものの、洗剤の香料で隠しきれてないニオイが感じ取れました。
まとめ(考察とおすすめ)
今回の比較では、洗浄力に差は見られなかったものの、「アクロン」の方が匂い落ちは優れているという結果になりました。
ただし、成分で少し触れた「酵素」については注意が必要です。
酵素のデメリット
先にも述べたように酵素はタンパク質を分解する効果も含みます。
通常の洗濯ではタンパク質汚れも取ってくれて嬉しいのですが、おしゃれ着となるとウールのセータなど、動物の毛を使用した洋服を洗濯することも多いでしょう。
そして動物の毛はタンパク質で出来ています。
つまり、酵素を使用することで、ウールやカシミヤにダメージを与えてしまうのです。
ただちに酵素で毛が溶けることはないですが、複数回にわたって使用することでダメージが蓄積し、ほつれ等に繋がってきます。
おすすめは?
以上を踏まえて、おしゃれ着用としては「アクロン」がおすすめです。
反対に、普段着に使いたいのであれば「エマール」のほうが得意な汚れの範囲が広いのでおすすめです。
(かつては「エマール」にも酵素が入ってなかったのですが。。いつの間にか追加されてしまったようです。。)