「エコベール」という洗濯洗剤をあなたはご存知ですか?
石油由来の界面活性剤を使用せず、植物油をはじめとした植物由来の成分で製造されているため、肌や環境に優しいことで有名です。
ただ実際のところ肌に優しいのか、洗浄力はどうなのかなど、気になりますよね。
そんな実際のところが気になるあなたに、エコベールの成分分析や、実際に使ってみた感想をご紹介します!
洗剤の分析
まずは洗剤の中身についてラベルからわかることや、液体のpHを測ってみて分析していきます。
特徴
まず特徴的なのが海外製ということもあってか、ボトルのサイズが大きいです。1.5リットル入っています。
水45mlに対して洗剤を45ml使うとラベルに記載があるため、水が30mlの場合は洗剤も30mlということになりますね。よく洗剤に「洗濯何回分」といった記載は、水30mlの前提で書かれていることが多いので、エコベールの場合は「洗濯50回分」です。
液体のニオイ
ラベルには「ラベンダーの香り」と記載があります。
実際に液体を直接嗅いでみると確かにラベンダーの香りがします。しかも他の洗剤にあるような、洗剤独特の香りはせず、柔らかい香りの印象を受けました。
例えるなら、薄めのラベンダーの香水の匂いといった感じですね。
成分の特徴
この商品の最大の特徴として、以下のように謳っています。
- 植物由来の成分を使用している
- リン酸塩を使用しないから環境に優しい
まずこれらは率直に言うとあまり意味のない宣伝文句です。
その理由は、植物由来の成分でも危険なものは危険なこと、リン酸塩は日本の製品でも滅多に使われることは無い成分であること、が挙げられます。
特に界面活性剤はナニから出来ているかは重要ではなく、ナニが出来たかが重要なんです。
実際の成分について
ラベルに記載のある成分は以下の通りです。
界面活性剤は2種類で、ポリオキシエチレンアルキルエーテルはノニオンの界面活性剤のため、肌への影響など安全性は高めです。
アルキル硫酸エステルナトリウムはアニオンの界面活性剤のため、洗浄力は強めですが、肌への影響などの安全性は少々低めです。
溶剤は汚れ落ちを良くするもので、pH調整剤はその名の通りpHをアルカリ性や酸性に傾ける成分です。エコベールは弱アルカリ性の記載なので、pH調整剤の中身としてはアルカリ剤が使われている可能性が高いですね。
また界面活性剤の含有率が少ないのも特徴的な点です。
最近の日本の洗濯洗剤は20%以上は界面活性剤が入っていることが多いのですが、エコベールは12%です。
界面活性剤の含有率が低くなると、肌への影響が少なくなる一方で洗浄力が弱くなります。
pH
ラベルには弱アルカリ性と記載がありました。
実際にpH試験紙で測ってみると、上の画像の通り7で「中性」といえます。
このpH試験紙は少数の範囲まで詳細に測ることができないので、もしかすると7.5くらいかもしれません。いずれにせよ8未満なので、弱アルカリ性というよりは中性が近いということが分かります。
洗浄実験の結果
洗浄力
上の画像は洗浄力の比較実験を行った結果です。
実験の内容を簡単に説明すると、白い布きれにラー油を1滴垂らし、水をはったコップに布きれと洗剤を入れてかき混ぜて30分ほど放置するというやり方です。
画像を見てもわかる通り洗浄前後であまり汚れが落ちていないのが分かります。
まあ多少は落ちているんですが、他の洗剤で同じ実験をした結果と比較すると、全然落ちていないなという印象を受けました。
しかしこれは単純に界面活性剤の投入量を増やせば解消される問題のため、洗剤の投入量を増やせば大丈夫です。
メーカー推奨の量から大きく外れることになってしまうので、実際にやる場合は自己責任になりますが、洗剤の投入量を規程の1.5〜2倍にすれば他の洗剤と同等の効果を発揮すると思います。
ニオイ
上でも紹介した通り、液体のニオイは「ラベンダーの香り」となっています。
最近の洗剤は液体を直接嗅ぐとキツめの香りがして、洗い上がりでも洗剤独特の香りが持続する形になっているので、これがニガテという人も多いと思います。
そういった意味ではエコベールの洗濯洗剤は柔らかい香りが特徴的で、洗い上がりも洗剤独特のキツい香りはせず、薄い香水のような香りが継続していました。
汚れに見立てたラー油の臭いも完全に落ちたわけではありませんが、他の洗剤の時よりは比較的ニオイ落ちが良かった印象です。
まとめ
汚れ落としという観点ではあまり汚れが落ちなかったので、コスパの悪い結果となってしまいました。
一方で洗い上がりのニオイは優しい感じで、好きな人は好きなニオイかもしれませんね。
総合すると、そもそも汚れがあまり衣類につかない人には普段使いで問題ない洗剤かなと思います。ニオイについても、洗い上がりの柔らかいラベンダーのニオイが好きな人にはおすすめです!
洗濯洗剤として洗浄力と肌への影響がバランスのいいのは中性タイプの洗剤です。中性洗剤の商品を分析して比較した記事がありますので、よければ▼